ブームにおけるサウナ利用者マーケット(感覚値)とサウナを日常とする“REAL SAUNNER”
ここ2年くらいはサウナブームで、コロナショックが起きる前はそれが最高潮に達していた。まだ過去形にはしたくないし、早く日常が戻ってブームが続くことを祈っているけれど、コロナ前(プレコロナフェーズ≒ビフォアーコロナ)とコロナ後(ポストコロナフェーズ≒アフターコロナ)の世界では大きく変わってしまったと言えるだろう。これは、2019年夏頃における客層の体感@サ室を自分の中で整理した図。Twitterでも色んなアカウント同士の摩擦が見られた時期でもあったし、モヤモヤを整理したみた感じ。縦軸にサウナに対するストイック度(ストイックサウナーとエンジョイサウナー)、横軸に(少し語弊があるけど、サウナ界隈に求める)お洒落度。サウナ好きも多様化しているから、あんまり型にはめたく無いし、レッテル貼りたくはないんだけど、体感を落とし込んでみた。
ブームで急拡大“お洒落×エンジョイ層”と複雑な気持ちの“非おしゃれ×ストイック”古参サウナー
最近はブームでサウナ好きを公言する人が増えてきたけれど、当たり前ながら、ずっと前からサウナ好きはいたんだよね。ただブーム以前はサウナのイメージが“おじさんっぽい”とか場合によっては“ハッテン場”みたいな負のイメージがあって、サウナ好きを公言しにくい面もあった。それでもおっさん、おばちゃん、おじいちゃん、おばあちゃんを中心に『リアルサウナー』とでもいうべき常連層がサウナを支えてたと思う。“激務サラリーマン”や、“プライベートは陰キャのバリキャリ女子”も実はこの層で、昔から存在してた。あえて名付けるならばサウナを日常とする『リアルサウナー』達で、ひっそりと静かにサウナを楽しんでた。
サウナ施設の経営側やサウナのために働くトッププロサウナー達は世間の負のイメージを払拭してマーケットを拡げていきたいって想いがありつつ、常連も大切にしようという雰囲気があって、そんなトライアルの中から、「サ道」を象徴とする色んな文化が生まれてきて、時代的にもワークライフバランス・マインドフルネス・ストレスマネジメントみたい文脈で注目を浴びはじめ、サウナ・水風呂・外気浴が一気に市民権を得てきた印象。こうなるとブームが起こって、またブームを起こすマーケット戦略も絡んできて、「おしゃれ×エンジョイ層」が急拡大していく。これまでサウナを支えてきた『リアルサウナー』とは少し毛色の違った「リア充サウナー」とでもいうべき層がここ1−2年で急拡大してきた印象。
オレンジの「リア充サウナー層」とブルーの「リアルサウナー層」とは企業内サウナ部活動やイベント、Twitterを中心とするSNSでお互いに影響し融合も図りながら、時にハレーションも起きたりして、これはこれで面白く、興味深く僕は思ってた。僕個人としてはブームのお陰で、これまで一人だけの趣味だったサウナを公言できるようになって、色んなサウナ仲間が増えていって、みんなで行くサウナの楽しさも知ったし、色んなイベントやSAUNATIME、サウナイキタイで楽しいサウナ体験が増幅された感じ。それと同時にサウナ人口が増えることで、サウナ施設に落ちるお金も増えて、各サウナ施設が更に進化。ナイスサウナが増えていった。僕はこれを「ナイスサウナサイクル(NSC)」って勝手に呼んでるけど、多くの古参サウナーにとっても恩恵が凄くあったと思うんだよね。だからサ室で「おしゃれ×エンジョイ系のファッションサウナー」が少し騒がしくても心の中で「ナイスサウナサイクル(NSC)」って3回呟くと心が落ち着いて、静かにサウナを楽しめた。つまりブームによるサウナ人口の拡大を歓迎してたわけです。
ポストCOVID 19(アフターコロナ)のサウナー界隈について
そんな矢先のコロナショック である。ポストCOVID 19時代(=アフターコロナ)はリア充寄りイベントは少し下火にならざるを得ないと感じている。サウナ施設の苦境は今も続いているけど、一定の落ち着きを取り戻し、営業再開した時に、以前と変わらずサウナを訪れるのは、やはりサウナを日常とする「リアルサウナー層」だろう。Twitterを中心とするSNS上でも、かなりのリアルサウナーがサウナに行けない現状に苦しんでおり、禁断症状をいかに緩和するかに注力している。まだコロナショック の先行きは不透明で、どうなるかも分からないけれど、アフターコロナの世界では、少しばかりサウナ好きの選別が進んでしまうのではないかと危惧している。コロナ前のサウナブームのいい流れが絶えてしまうとすれば残念だ。なんとか継続してほしい。
ブームを支え発展させるのは“REAL SAUNNER”層の充実
ただ僕の肌感覚では「おしゃれ×エンジョイ系サウナー」の急拡大に伴うサウナ人口の拡大は、一過性では終わらずに“サウナに本気でハマる人”も急拡大させたと感じている。ファッションとしてのサウナで裾野が広がることで、サウナを日常とするリアルサウナー人口も確実に増えている。入り口は「おしゃれ×エンジョイ」でも、その魅力にハマり、深く突き詰めた結果ストイック寄りに進んで行ったり、お洒落さ無視で一人どっぷりサウナに通う実益重視派になったりと、少しずつ深化しているのだ。これは古参サウナーにとってもナイスサウナサイクル(NSC)の観点から大切な要素だし、このリアルサウナー層の充実が、ポストCOVID19(アフターコロナ)の世界においてもサウナ通いを続け、サウナ施設を支える主戦力の充実につながると思う。コロナ自粛中は日々襲ってくるサウナ禁断症状を「薬湯+自家製健康ドリンクの服用」で抑えつつ、サウナ本を読んだり、サウナ系資格にチャレンジしたりしてサウナリテラシーを高めたり、サウナのある日常のありがたさを噛み締める貴重な機会と前向きに捉えるしかない。長々と書いてきたが、サウナ界隈の未来は必ずしも暗くはないし、結局僕は一日も早くサウナに行きたいだけの、ただのサウナ好きおじさんである。
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